MMEについて
ミニモーグ(Minimoog)は1970年に開発され、プロトタイプのA,B,C,D型のうち製品化されたのはモデルDとなっています。
Minimoog モデルDは同時発音数が1つのモノフォニック・シンセサイザーであり、特徴的なのはVCFに採用されたNPNトランジスター・アレイCA3046で構成された4ポール・ラダーフィルターを通したサウンド・キャラクターであり、太く深みのある音は新旧アーティスト問わず幅広く受け入れられているようです。
Studio Electronicsからラックマウント化されたMIDIMOOG、MIDIMINIも存在しており、MIDIとオシレーター・シンクとLFOがオリジナル・Minimoogにない機能が搭載されています。
このMinimoog モデル Dは昔から人気があり、現在でもMoog社から復刻版もリリースしていて、他メーカーも例えばBehringerのモデル Dクローンマシンがあり、オリジナルに忠実に再現と謳っています。
このモデル Dを再現したDIYキットについても様々ありますが、そのひとつにGUINGUIN Instrumentsが提供している「MME」があります。
公式サイトからはPCBのみとPCBおよびパネルがセットの2種類が購入可能です。
このMMEは60hpのユーロラックに搭載可能になっていて、コンパクトながらも極力アナログ回路で構成された仕様になっていて、一部のアナログディスクリート部品はレアパーツとなっています。
また、MMEはオープンハードウェアになっていないため、回路図も公開されておらずビルドガイドに従って淡々とはんだ付けしていくタイプになります。
部品について
電子部品リストはこちらから確認は可能です。ただし、先ほどの述べたとおりレアパーツがあるため一から収集するのは大変だと思います。
ですので、現在(2020/09/03時点)ではSynthCubeからPCBとパネルも含めてキットで購入する方が正解かもしれません。
ちなみに、パーツ数は800程度です。
製作について
MMEの組み立てガイドはWebベースで、例えばこちらのページのように、はんだ付けされる箇所がハイライトされるので分かりやすいのではないかと思います。
実装が終わったらチェック入れも可能なようなので、実装忘れ対策もあり良心的です。
部品のはんだ付けで気をつけなければいけないことはあまりないのですが、比較的基板の大きさに対して、部品数が多く隣の部品と干渉しやすい構造になっているので、部品の向きを斜めにするなどいい加減にやるのではなく、整列を意識してやるとよいと思います。
調整について
ビルドが完了したら、最後にチューニングを実施して完成です。
やはり調整にはデジタルマルチメーターだけではなく、オシロスコープ(簡易のものでもよい)も必要になってきますね。
調整項目は結構たくさんありますが、ガイドに従っていけば大丈夫だと思います。
あと、私が失敗したところでMMEは結構電力を食うのを知らず300mA程度の簡易電源を繋げたらあっという間にパンクしてしまい動作不可になってしまったので、パワーのある電源(±12Vがそれぞれ1A[35W]以上あれば安心です)を使用することをオススメします。
特にユーロラックでは各モジュールがひとつの電源を共有して使用していることがあるかと思うので、MMEはひとりで電力を持っていかれるので要注意です。