SH-101 改造メモ

DIY シンセサイザー

Roland SH-101について

Roland SH-101は、1980年代に発売され1VCO、1VCF、1VCAそして1LFOとシンプルな構造で、シーケンサも内蔵されたシンセサイザーでした。構造が分かりやすかったため、シンセサイザーの入門的な位置づけとして登場しました。

シンプルなシンセサイザーですが、80年代に発売されこともあり完全なフルデジタルではなくアナログ回路が残っているので、いわゆるアナログシンセとして今なお中古市場でも比較的高値で取引されています。

また、SH-101のVCOにはProphet-5など高価なアナログシンセでも使用されているCurtis Electronics社製のCEM3340が使われていることから、このチップから出てくる音に対して一定の評価があるため、これも人気になっている要因のひとつになっています。

さらに、SH-101は完全にMIDIへ移行する前に出たシンセのため、外部のインタフェースはCV/GATE信号による制御しかありませんでした。

ここで、このSH-101をMIDIによる制御ができるように改造してみたので、メモとしてここに記録しておきます。

SH-101のMIDI同期について

SH-101はシーケンサが内蔵されており、この部分はマイコンで制御されています。このマイコンをMIDIに対応可能なマイコンに置換することで、SH-101はMIDIによる同期が可能となります。

今回改造で置換したマイコンはTUBBUTECというDIYメーカーが扱っている、SH-1oh1 uTune editionを採用しました。

このマイコンは、ノーマルバージョンのSH-1oh1がありますが、uTune editionはこのノーマルバージョンに加えて主にマイクロチューニングが可能な仕様になっています 。

購入すると、マイコン基板の他に下図のような付属品が同梱されて届きます。

見ての通り、MIDIコネクタが付いていますが、実際にMIDIコネクタをSH-101筐体に取り付けるとなると、筐体の穴あけ(ガイドシートがあります)が必要になります。

このSH-1oh1 uTune editionのユーザーマニュアル(英語表記)はこちらにあります。

SH-1oh1 uTune editionインストール

基本的にインストールマニュアル(英語表記)を参照しながら作業すればよいでしょう。

SH-101本体裏側ネジを外し、蓋を開けた状態が下図となります。

上図の写真は一枚基板を裏返した状態になっており、マイコンを交換するには写真内に「ここの裏側にマイコン」と書かれた部分の周辺にあるピンのハンダを取り除かなければいけません。

ハンダの除去は少々扱いに慣れていないとなかなかうまくいかないことがありますが、ここはDIY精神で乗り切りましょう!

自分の場合は以下のツールが活躍しました。

白光(HAKKO)簡易はんだ吸取器
ホーザン(HOZAN)ハンダ吸取線

これらのツールを使ってはんだを除去した状態が下図です。

何とか取り外したオリジナルのマイコンはエンジニアICケースなどに入れて大事に保管しておきましょう。

次に置換するマイコン基板をはんだ付けしたいところですが、何かあった時にまたはんだを除去するのが面倒になるので、ピンソケットを先にはんだ付けしておけばマイコン基板の取り外しが容易になります 。

ピンソケットをはんだ付けしたらマイコン基板を実装します。

SH-101筐体の穴あけ

付属に付いているMIDIコネクタをSH-101に固定するには、リアパネルに2か所の穴開けが必要になります。

穴を開けるので、オリジナルのSH-101にキズを付けたくない!という方は、バッテリーボックスの蓋を開けて、そこから内部に繋がる穴を通して接続する方法もあります。

自分の場合は、以下のツールを使用して付属のガイドシートをリアパネル所定の位置に固定し穴あけをしました。

リョービ(RYOBI)ドライバドリル
六角軸ドリル
コーンドリル

穴あけのコツですが、最初にガイドシートの真ん中にあるバツ印のセンターを軽くキズを付ける程度に穴あけして位置決めしておくとよいです。

位置決めしておかないとドリルの回転中に勢い余って横に滑って意図しないところにキズを付けて悲しい思いをすることがあるので、ドリルの回転は遅め目で大丈夫なのでゆっくりと穴をあけていきましょう。

MIDIコネクタの方の穴は比較的大きいのでコーンドリルの方を使用することになります。

穴あけを完了して、MIDIコネクタを付属のネジで筐体に固定します。MIDI IN-OUTのシールも付属のものを使用しました。

MIDIコネクタの内部配線ですが、H-1oh1 uTune editionインストール項目にある最後の写真を参考にして、マイコン基板に接続します。ケーブルにはピンソケット(2pin-2pin-1pin)が付いているので接続は簡単ですが、接続位置は間違えないようにしましょう。

改造が終わったら、付属のシールを貼付けてmod感を出すのもよいでしょう。

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